牛の鈴音   

  見逃した~と思った映画が、今週下高井戸シネマにやってきた。
  韓国映画「牛の鈴音」
  昨日観てきました。13時5分開始のため、お弁当持参で(笑)
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農家の老夫婦と年老いた牛との日常を描いた、ドキュメンタリータッチの静かな作品だ。

79歳のチェ爺さんと76歳のおばあさん。そして40年も生きている牛。
牛の寿命は15年位というから、人間にしたらいったい幾つになるんだろう。

チェ爺さんは、老体に鞭打って、機械も農薬も使わない一昔前の農作業を続けている。
牛も同様。歩くことさえおぼつかないヨボヨボの足で、畑を耕し、荷車を引く。
チェ爺さんと老牛は、こうして9人もの子供を育てあげたのだ。

年老いた牛にここまで働かせるのは虐待では?と思ったりもしたが、それは感傷というものだろう。
牛はペットではない。肉牛、乳牛、種牛?耕作牛と、それぞれが経済動物としての宿命を負っている(人間の詭弁)

無口なチェ爺さんに比べて、おばさんのお喋りは際限なく続く。
「老いぼれ!」「牛の世話で私は大変だよ」「いつまで生きるんだろう」「この牛がいる限り楽になれない」「もう売るしかないよ」
おばあさんの不平・不満・愚痴・雑言が、この映画のナレーションだ。
どこの国でも、おばあさんはキツイよ~。

でも、映画の師はこうおっしゃる。
「おばあさんが牛にヤキモチを焼くのが微笑ましいですね」
う~ん、そうだったのか。チェ爺さんには、牛だけじゃなく自分のことも気遣って欲しかったのね。

牛が寿命を終えたあと、おばあさんは言う。
「国一番の牛だったよ。自分がいなくなったあとも私たちが困らないようにしていってくれた」

家の周りには、見渡す限りの薪(枯れ枝)の山。
寒くなる季節に備えて、老牛が荷車でせっせと運んでくれたものだ。
泣けた。

老夫婦と老牛の暮らしを淡々と描いた地味な作品だが、ラストは感動的です。
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by masayama-chan | 2010-06-09 18:35 | 映画三昧 | Comments(2)

Commented by さと at 2010-06-14 16:53 x
全然映画を見ないので内容はよくわからないんだけど(苦笑)すみません・・・
この頃ね、ラジオ番組で河瀬直美監督っているでしょう。あの人のお喋りがなかなかいいのよね。
ドキュメンタリーをよく撮っておられるようですがたまには私も映画館に行かなくっちゃね(笑)
暇になったしね~
Commented by さとさんへ(マサ) at 2010-06-14 18:42 x
河瀬直美監督って、何年か前にカンヌ映画祭で賞を獲りましたよね。「殯(もがり)の森」という地味な作品だったけど、審査員の心を動かすものがあったんでしょうね。
韓国では、この映画は大ヒットしたらしいんですけど、日本ではドキュメンタリーが興行的に成功を収めるのは難しいみたいね。

さとさん、暇になったんですか。といっても、私の100倍は忙しいと思うけど(笑)

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