「瞳の奥の秘密」
2010年 09月 13日
「悪人」を観たかったけど、公開初日の土曜日とあっては混んでいるに違いない。
で、師匠お奨めのアルゼンチン映画にした。
今年のアカデミー賞外国語映画賞に輝いた作品だ。
素晴らしい映画だった。オスカーを獲ったのも肯ける。
緻密なサスペンスドラマであり、上質な恋愛映画であり、私の中では今年のベストワン!!
刑事裁判所を定年退職した男が主人公。
彼は退職を機に、25年前の未解決殺人事件をモチーフに小説を書き始める。
(この国の司法制度がわからないのだが、裁判所の職員が刑事のようなこともする)
過去と現在が交錯する中で、浮かび上がるのは、ある女性への変わらぬ思い。
女性は25年前、彼の上司として裁判所に赴任してきた。
事件の真相を追ううちに、ふたりは互いに惹かれあう。
でも、言葉にできない。態度に示せない。
あるとき、女は男に精一杯の気持ちをぶつける。
「いくじなし!」
この言葉に秘めた女心が切ないが、大人の私には男の気持ちもわかる。
女は、アメリカの名門大学を卒業し法学博士の肩書きを持つ若きエリート。
男は女の部下であり、有能で辣腕だが高卒の事務官だ。
25年という時を経て、事件は衝撃的!な結末を見せる。
一方、男と女はこれからどうなるのだろう。
「手強いわよ」の女の言葉で、扉が閉まる。
紛れもなく大人のラブストーリーだ。
by masayama-chan | 2010-09-13 18:33 | 映画三昧 | Comments(2)
それにしてもこの邦題、何とかならないのでしょうか。
気恥ずかしいわ。オリジナルは何なのでしょう。
犯罪加害者のみならず、被害者の夫も何かを隠しているかのような揺れる眼差し。
あちらの人は目が大きいから、主人公の男女にしても、目がすべてを物語っている感じなの。
陳腐なタイトルに思えるかもしれないけど、まぁ許せるかなぁ~。