「星守る犬」   

☆星守る犬☆……犬が星を物欲しげに見続けている姿から、手に入らないものを求める人のことを表す。


a0108328_14123646.jpg涙、涙、涙。
「泣かせよう」という作り手の意図がミエミエなんだけど、ラストは涙が止まらなかった。
村上たかしの同名コミックを西田敏行主演で映画化した、「星守る犬」
おととい、府中で観てきた。


北海道の山中に放置されたワゴン車から、身元不明の中年男性(西田敏行)と犬の遺体が発見された。
男性の遺体は死後半年。犬の遺体は死後1ヶ月。
犬は男の死が理解できないまま、そばに寄り添っていたのだろう。

市役所の福祉課に勤める奥津(玉山鉄二)は、残されていたレシートを頼りに、死んだ男と犬の足取りを辿る旅に出る。
東京から北海道へ。
東京で強引に乗り込んできた少女(川島海荷)と共に、ポンコツの愛車で。

玉山鉄二が演じる奥津は、原作コミックでは、しょぼい50がらみの男だ。
「冒険も恋愛も刺激的な日常も、すべて本のなかにある」と、現実を楽しむことを捨ててしまった、独身のさえない中年男である。
「玉山さんが演じるのはどうなの?」と思ったが、不思議と役にはまっていた。
そういえば、先月見た「阪急電車」でも、「まさか、玉山さんではないわよね?」と、一瞬引いた役だっけ。
人のいい、大阪弁のぬるい男だった。
玉山さん、まさか、この先ずっと、この線でいくんじゃないでしょうね。
私は、やっぱりカッコイイ玉山鉄二が見たい。
「赤いハゲタカ」のような、クールで知的で危険で、破滅的な香りのする役だ。

玉山鉄二の項が長くなりました(汗)
でも、この映画の主役は、私に言わせれば、西田敏行ではなく玉山鉄二だ。

話題を映画に戻せば、実に切ない話だ。
真面目に仕事をし、家庭を持ち、実直に生きてきた男が、なぜ野垂れ死のような最期を迎えねばならなかったのか。
不況、リストラ、熟年離婚、車上生活。
あっという間に人生の坂を転がり落ちた男には、這い上がる術がない。

食べ物を漁っては、男の元へ運ぶ犬には泣かされる。
「お父さん、起きてくださいよ~」
やがて力尽き、寄り添うように死んでいった犬ハッピー。
日本版フランダースの犬だ。違うか(笑)



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なぜか我が家に、原作のコミック本があった。
原作では、男は死後1年から1年半。
犬は、死後3ヶ月だ。

左は、チェリーがフジTVの「きょうのわんこ」に出演したときの景品。
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by masayama-chan | 2011-06-16 14:20 | 映画三昧 | Comments(4)

Commented by としちゃん at 2011-06-17 06:42 x
この映画、絶対にマサさんなら見るだろうなと思っていました。やはりご覧になったのね。
玉山鉄二ってすごくかっこいい人でしょ?
それがしょぼい役をするの? ふーむ、ですね。
このわんちゃん、チェリーちゃんに似ているのかな。
Commented by としちゃんへ(マサ) at 2011-06-17 20:24 x
しょぼい役でも、玉山鉄二が演じるとしょぼくはないんだけどね。
役所勤めの地味な男です。こういうフツーの役のほうが、演じる上では案外難しいのかもしれないわね。
チョイ役ですが、三浦友和がいい味を出してました。歳を重ねてどんどん役者として味が出てきた気がするの。太ったからダメ?(笑)

犬は秋田犬で、チェリーの100倍立派でした。
Commented by ひょっこり at 2011-06-18 22:54 x
 おおマサさん、私もコレ観ようと思って前売り買ってあるのよ。来週行こうかなって思っているの。
 でもマサさんの解説がわかりやすくて、もう半分観たような気になっているわ~。海岸のシーンは福島県いわきで撮ったのですってね。今ではみることのできない震災前のいわきがあるって西田敏行が新聞のインタビューで言ってました。
 玉山鉄二は野球でいえばホームランバッターではないけど確実にヒットをうつ打者のような役者さんと私はみているの。マツケンとノルウェイの森にも出ていたね。
 よっしゃ、来週観ようっと。その気にさせられました(笑)
Commented by ひょっこりさんへ(マサ) at 2011-06-20 18:29 x
おぉ、ひょっこりさん。珍しく観たい映画が一致しましたね。
いわきの海岸出てきましたよ。貴重な映像になってしまいましたね。
そうか、ホームランではないけど二塁打は打つバッターね。うんうん、でも、ホームランを打つ姿も見てみたいなぁ~。

一緒に旅する少女は原作にはない人物。奥津に自分を語らせる上で必要な存在だったかも知れないけど、うるさくてちょっと邪魔かな(笑)
だいたい、若い男性が見ず知らずの少女を車に乗せて旅をしていたら、犯罪だよ。玉山さんだからいいようなものだけど。

西田敏行は好きな俳優ではないけど、彼が「おとうさん」を演じることで悲惨なストーリーが救われています。
ひょっこりさん、いっぱい泣いてきてね~。

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