「時の余白に」
2011年 07月 31日
毎月最終土曜日の朝刊解説面に掲載される。
この日の朝が、どんなに楽しみなことでしょう。
執筆者は、編集委員の芥川喜好さん。
私は、かつて芥川さんが日曜版の一面「日本の四季」を担当していたころからの、20年以上に及ぶ隠れファン(別に隠れなくてもいいか)
「日本の四季」は、近代日本の絵画を扱った紙面で、11年続いた。
私は名画そのものより、絵に寄せる芥川さんの解説に強く惹かれた。
「時の余白に」は、私などが説明するのは畏れ多いほどの名コラムだ。
静謐で香り高い文章に、毎回心を洗われ、ときに涙する。
その「時の余白に」の小冊子(傑作選)が出来たと知って、新聞社に早速申し込んだ。
小さきもの、名もなきもの、謙虚なものに対する眼差しはやさしく、権力や名声や地位にこだわる尊大な者への視線は厳しい気がする。
「低い視点からものをみる構え」と、本人は巻頭で述べている。
ちなみに、7月の最終土曜日(昨日)朝刊に載ったテーマは、
「ひとりゴリラの道を」
日本のパンダ人気に芥川さんは疑問を呈している。
「たしかに、あのゆったりした動作や愛らしいしぐさは、見ていて平和な気分にひたれます。それで十分だと思うのですが、「かわいい」の大合唱になってしまうあたりはよく分かりません」
そして最後に、こう書かれている。
「慌しいパンダ見物がすんだら、静かなゴリラの森の前にたたずんでみてください。
そのひっそりとした、所在ない時間こそ、人間の遠い祖先の生きてきた時間なのです」
数年前、とある会で、芥川さんにお会いしたことがある。
痩身で白髪の紳士は、香り高い文章そのままの方だった。
(白髪といっても、けっこうお若いです)
by masayama-chan | 2011-07-31 23:26 | Comments(4)
そんな素敵な方と直接お会いできたなんて、さすが投稿グループのメンバーの特典でしょうね。痩身で白髪なんていいなー。
独特な雰囲気で、私はほとんど出たことがないけど。著名人のお話もありますよ。
著名人が工面できない(?)ときは、新聞社の記者のお話だったりするけど。
でも、私は著名な方より、新聞社の記者の臨場感溢れる話の方に断然興味があります。
芥川さんのお話も、とても楽しかったです~♪
初めて知りました。
ブログ仲間の方々の夫々の特徴があって私にはすごく新鮮で楽しいです♪
勉強になるわ!
この頃そんな素敵な白髪の男性にはとんとお目にかかってないわ(笑)
お話も面白いなら素晴らしい方ですね。
私は、例会にも新年会とかのイベントにも、ほとんど出席しないユウレイ会員なんですけどね。
白髪の男性は多いけど、きれいな銀髪には、なかなかお目にかかれませんよね。
銀髪は、なぜか知的に見えます。私は知的な人が好みなんだと、最近悟りました(笑)