夢売るふたり   

「夢売る」とは、ロマンチックな響きがする言葉。
一方、なんだかあやしげでもある。
昨日観た「夢売るふたり」は、結婚詐欺の夫婦の話だ。
騙された相手は、ほんのちょっとの間、夢を見ることができたのだろうか。

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東京の片隅で小さな居酒屋を営む夫婦、貴也(阿部サダヲ)と里子(松たか子)
店は繁盛していたが、火事ですべてを失う。
「自分たちの店を持つ」という夢を諦めきれないふたりが、再出発のために思いついたのが、なんと結婚詐欺!

出版社OL、重量挙げ選手、風俗嬢、シングルマザーなど、目を付けた相手に、巧妙に近づいていく。

「妻が企て、夫が騙す」

貴也(阿部サダヲ)は、イケメンではないしカッコいいわけでもない。
外見も中身も、情けない男だ。
「どうしてこんな男に引っかかるのだろう」と思う一方、詐欺にあった女の気持ちが少しはわかる気もする。
貴也は憎めない男だ。とにかく、やさしい。心底やさしい。
騙される女たちは、みな寂しいのだ。

「まだまだ足りん。全然足りん」と言う妻に、「お前の足りんは金やなくて腹いせの足りんたい」と夫。
騙しながらも、相手に同情や優しさを抱いてしまう夫。
自ら企てておきながら、夫と相手がそうなるのを許せない妻。自分の気持ちに収拾がつかない。

「この映画はどんなふうに終わるんだろう」と、観ながら結末が気になってしかたなかった。
衝撃の結末!と一瞬思いきや、いや、そうでもないような。ほっとするような。

健気な妻・里子を演じる松たか子が、恐い。
何が恐いかはうまく説明できないが、凄みがある。とにかく恐い(笑)
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by masayama-chan | 2012-09-21 17:02 | 映画三昧 | Comments(2)

Commented at 2012-09-21 23:12 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 〇〇系さんへ(マサ) at 2012-09-22 13:53 x
なかなか面白かったですよ。
里子さんは悪人というほどではないけど、松たか子自身は悪意に満ちた役が案外似合っていると思います。これ、誉めてますよ。女優として、キレイキレイな役より、ずっと面白いのではないかしら。それに悪女役は、美人女優でなくちゃね。

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