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「くちづけ」   

久々の新宿バルト9で、「くちづけ」を観た。
甘いタイトルだが、内容はけっこう重い。

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知的障害者の自立支援グループホーム「ひまわり荘」が舞台。
そこに漫画家の「愛情いっぽん」(竹中直人)がやってきて、住み込みで働くことになった。娘マコのために。
マコは身体は大人だが、心は幼い少女のままだ。


無邪気な住人たち。
中でもハイテンションな「うーやん」(宅間孝行)と、マコは心を通わせていく。
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カメラは、グループホームの居間(談話室)をほとんど出ない。
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俳優のオーバーな身振りといい、まるで舞台を見ているよう。
それもそのはず。宅間孝行が、主宰していた劇団に書き下ろした有名な舞台劇とのこと。

映画が始まってすぐ、マコ死亡のニュースがテレビ画面に流れる。
話は遡り、マコの死に向かい進んでいく。
父親「愛情いっぽん」の病状の経過から、痛ましい展開は予想できた。

笑いを誘う場面も沢山あるが、知的障害者を取り巻く厳しい現実を突き付けられ、誰もが考え込まざるを得ないような、切なく重い作品だ。
地味な作品だが、沢山の人に見てほしい。
厳しい現状を知ったところで何もできないかもしれないが、少なくとも知らないよりはいい、と私は思うから。

by masayama-chan | 2013-05-31 19:35 | Comments(0)

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