「小さいおうち」   

先週の金曜日、府中で「小さいおうち」を観た。
原作は中島京子の直木賞受賞作。山田洋次監督が映像化した。


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寅さんに代表される山田監督の作品はあまり好みじゃないのだが、これはぜひとも観たかった。
なぜなら、「小さいおうち」には、どこか秘密めいた響きがある。


昭和の始め。東京郊外の坂の上に立つ赤い三角屋根の家。一際目を惹くモダンな造りだ。
そこに、東北の田舎から上京した若いタキが女中奉公に入る。
玩具会社重役の旦那さま、奥さまの時子、5歳になるぼっちゃんの恭一。
タキは美しく上品な奥さまに憧れ、ひたすら働く。
穏やかで楽しい日々に狂いが生じるのは、旦那さまの部下で板倉という青年が現れてからだ。
板倉に時子が魅かれていく。

ある日、板倉の下宿を訪れた時子。
その様子を、タキは見逃さない。
出かける時左側にあった帯の柄(線)が、帰って来たときには右側にある。
ふたりの関係が、涙が止まらないほど不安で、胸が締め付けられるほど悲しいのは、時子へのどんな思いからだろう。


時子を松たか子、晩年のタキを倍賞千恵子、若き日のタキを黒木華が演じている。
円熟?老成?の倍賞千恵子、初々しい黒木華、どちらも素晴らしい。
でも、圧倒的な存在感を見せるのは、時子役の松たか子だ。
無邪気で上品で、匂い立つように美しい。そして、背徳の香りがする。

板倉役には吉岡秀隆。
「この配役、ちょっとどうなの?」という気がしないでもない。
なにしろ板倉は、時子が心ときめかす30歳前の若くてカッコイイ男なのだ。

でも、そんなことはどうでもいいくらい、これは3人の女優の映画です。
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by masayama-chan | 2014-02-10 15:28 | 映画三昧 | Comments(4)

Commented by ひょっこり at 2014-02-10 22:06 x
 おお観ましたね「小さなおうち」。私はもう先月観てました、封切りしてすぐ・・誕生月のうちに(笑) 昭和の初めのモダンな暮らしが新鮮でしたね。でも確かに松たかこを狂わす相手役が吉岡秀隆って・・三浦春馬とはいわなくても松坂桃李くらいにして欲しいわ。観るこっちもときめくもの。黒木華、朝ドラでは夏菜の敵役だったけどこれからが楽しみな女優とみました。

 ところで、私この1週間、発熱と食欲がまったくわかずグッタリしてしまったのですが・・お嬢さん素晴らしいですね。
 子育てと仕事にこんなに頑張って取り組んでいる若いママ世代がいると思うと応援したいですね。風邪ひいてびりくんでいる年寄りで・・・情けなくなりました。
Commented by ひょっこりさんへ(マサ) at 2014-02-11 13:56 x
おお、ひょっこりさんも観ましたか。それも封切してすぐ。
山田監督の中では吉岡秀隆はまだ20代なのかもね。かといって、松たか子相手では、三浦春馬や松坂桃李は弟みたいじゃない。いっそ、妻夫木の二役はどうかしら?これも、弟か(笑)
私は、綾野剛あたりがいいかなと思ったのだけど。影のある雰囲気が。

ひょっこりさん、風邪ですか?早く食欲が戻るといいですね。
仕事と子育ては頑張っていると思いますが、家事は全く頑張っていないから大丈夫(苦笑)
妹は、「お姉ちゃんはワガママで自分勝手」といつも言っています。
Commented by としちゃん at 2014-02-11 14:58 x
ふむふむ、女性が主人公の映画なんですね。吉岡秀隆は寅さんの甥っことか、茶川さん役が思い浮かんでしまいますね。山田洋次監督ものだと他の人は選びにくいのかしらね。
私は昭和の初めのころの着物に興味がありますね。そのうち見たいと思っています。
Commented by としちゃんへ(マサ) at 2014-02-11 21:20 x
ストーリーも楽しめましたが、昭和の初めの雰囲気、着物とか洋服とか街の風景とか家の中の様子とかが興味深かったですね。赤い三角屋根の家の住人達は、当時にしてはモダンな暮らしだったと思います。

山田監督はお気に入りの俳優を使いたがる傾向があるのでは。
倍賞千恵子も常連ですよね。どんな役も上手にこなす女優ではありますが。

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