海を感じる時   

昨日、テアトル新宿で「海を感じる時」を観た。
1978年に発表された、中沢けいの衝撃のデビュー作の映画化だ。


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原作を読んだのはいつだったかな。ギリギリ20代だったかもしれない。
多感な少女を描いて、いつの時代にあっても普遍的なテーマだが、悲しいかな今の私では、もはや少女の気持ちに寄り添うことは出来ない。

主人公・恵美子は高校の先輩・洋に思いを寄せるが、冷たく拒絶される。
拒まれても疎まれても、彼を求め、その前に体を差し出す恵美子。
拒まれ傷ついても、なお彼に寄り添う恵美子の心が、なんとヒリヒリと痛々しいことか。
そう、今風にいえば、実に「イタイ女」だ。

一方、洋にしてみれば、恵美子のことは好きではないが、欲望を満たしてくれる都合のいい女だ。
けど、重い。
彼は彼で、恵美子の気持ちと自分の欲望を持て余し、苦悩しているのかもしれない。

私が恵美子の親だったら、映画の母親と同じように頭から湯気を出し、「もっと自分を大事にしなさい」と言うだろう。
主人公ではなく母親の気持ちに共感を覚えたのは、私がすっかり歳を重ねてしまったということでしょう。


少し前に、原作者の中沢けいさんを新聞(?雑誌かも)で拝見したが、繊細な作家のイメージではなく、どちらかというと「逞しいお母さん」っていう感じだった。
なんだかホッとしたのは、なぜでしょうね。


テアトル新宿。
ビルの地下にある映画館は、洒落た雰囲気だ。
売店のコーヒーも豆から挽いてくれます。

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by masayama-chan | 2014-10-03 14:44 | 映画三昧 | Comments(2)

Commented by としちゃん at 2014-10-04 07:33 x
私も何かの雑誌か何か中沢さんのお姿を拝見したとき、
「わっ、おばちゃんになっている!」と驚いたことがありますよ。
あの小説が今になって映画化されたというのは、何か意味があるのでしょうか?
それにしても私は映画見ていませんね。「サンローラン」とか
「蜩の記」とか見てみたいのですが。
府中や新宿まで行くのが面倒というわけではないのですが、なんだかんだいってもパ○コの小さな映画館があったのは、少しは便利だったのですね。新しくできる駅前のビルには映画館が入るという噂もありますが、どうなんでしょうね?
Commented by としちゃんへ(マサ) at 2014-10-05 16:38 x
中沢けいさんは、今や貫録たっぷりですね。大学の教授らしいですけど。
結婚が早かったから、もうお孫さんもいらっしゃるかもですね。
当時も映画化の話があったらしいけど、実現を阻むものがあったんでしょうね。
普遍的なテーマだけど、時代を感じさせる場面もあります。

駅前のビルに映画館が入るというウワサは朗報だわ。
映画館が一つもなくて、「映画の街」と自慢するのはどうかなっていつも思っているの。

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