「追憶と,踊りながら」   

昨日、下高井戸シネマで、「追憶と,踊りながら」を観た。
甘く、切ないタイトルに惹きつけられた。

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ロンドンの老人ホームで暮らすカンボジア系中国人のジュン。
長くロンドンに暮らしていても英語ができない。夫を亡くした彼女にとって、唯一の頼りは息子のカイだ。
だが、カイは突然の事故で亡くなってしまう。
カイと同居していた友人のイギリス人青年リチャードは、ジュンに会いに足繁くホームに通うが、ジュンはなかなか心を開こうとしない。
ジュンはリチャードを嫌っていた。

老人ホームで暮らすジュンに、当初は「この若さでホームに?」と違和感を持った。
肌はハリがあるし、どう見ても60代前半。意志的な中年女性のイメージだ。
本人も、「こんなところに閉じ込めて!」と不本意な様子である。
でも、しばらくして合点がいった。

カイには母親と一緒に暮らせない事情があった。
同居するリチャードは友人ではなく恋人だ。カイは母親に自分がゲイであることを打ち明けられずにいた。
だから3人では暮らせない。かといって、英語のできないジュンを独りには出来ない。
ホームに入れたのは苦肉の策だ。

愛した人を失って、その母親の世話をしたいと願うリチャード。心を固く閉ざすジュン。
カイとリチャードは友人ではなく恋人同士であることを、ジュンは薄々感づいていたと私は思うのだ。だって、母親だもの。だから、リチャードを嫌っていた。嫉妬していた。
共通の言語を持たない2人が、お互いを理解し歩み寄ることは出来るのだろうか。

切なくて、哀しくて、とても静かな映画だ。
静かすぎて、不覚にも途中で爆睡してしまった(汗)
でも派手な展開はないので、爆睡しても大丈夫。話にはついていけます(笑)

それにしても、リチャードとカイが愛し合う姿は、微笑ましく美しい。
男同士のラブシーンでも違和感なく見られるのは、2人の俳優の魅力によるものでしょう。
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by masayama-chan | 2015-09-17 14:29 | 映画三昧 | Comments(4)

Commented by チヒロ at 2015-09-18 17:07 x
マサさん、こんにちは。
下高井戸シネマはシネコンではやらない映画も上映する映画館なのでしょうか・・。なかなか良さそうですね。マサさんがご覧になった「追憶と、踊りながら」もユニークな映画のようです。
それにマサさんの解説が上手なので引き込まれます~。

私も先日、シネスイッチでフランス映画「彼は私の秘密の女ともだち」を見たのですが、これも、「追憶と・・」と同じような要素が入ってる不思議な映画でした。女装する男性が出てくるのですが、一昔前の、或る意味分かり易い「トッツイー」や「ミセス・ダウト」と違って、今の時代らしい、何でもありの男女関係、男男関係?が出てきて結構楽しめました。
また、映画のことや読まれた本など、ブログに紹介してくださいね。楽しみにしています!
Commented by masayama-chan at 2015-09-19 20:13
チヒロさんへ(マサ)

そうなんです。下高井戸シネマは、シネコンでは上映されないような地味で良質な映画をとりあげてくれる映画館なのです。
見逃した~と諦めていた作品も、待っていると下高井戸シネマにやってくることがよくあります。この映画も、5月に新宿武蔵野館で上映されたのですが、そのときは見逃してしまいました。
作品によっては観客が10名くらいのときもあり、採算が取れているのかがちょっと心配でもあります。

シネスイッチでフランス映画とは、チヒロさんも通ですね(笑)
観たい映画がシネスイッチで上映されることがあるのですが、どうも銀座は敷居が高くて一度も行ったことがないのです。
でも、10月に上映予定の「犬に名前をつける日」は観てみたいと思っています。
作品の良しあしに関わらず、犬の映画に弱いのよね。ちなみに今日は、愛犬が旅立って半年後の命日です。
Commented by チヒロ at 2015-09-20 07:22 x
マサさん
そうなんですか、下高井戸シネマ、私も近かったらぜひ行きたい映画館ですね~。 昨日は愛犬のご命日だったのですね。マサさんのブログに初めて出会ってブラウジングしたとき、チェリーちゃんのことも読みました。ご冥福をお祈りします。
「犬に名前をつける日」は楽しめると良いですね!
Commented by masayama-chan at 2015-09-20 20:31
チヒロさんへ(マサ)

今日、庭の花壇に愛犬の骨を埋めました。彼女が15年間暮らした庭で、安らかに眠ってほしいと祈りつつ。
そして、花壇の隅にジャスミンを植えました。
チェリーは白い犬だったので、生まれ変わった庭に白い花を咲かせたいですね。

シネスイッチ、迷わずに行けますように。

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