山河ノスタルジア   

水曜日(18日)、Bunkamuraザ・ミュージアムで「俺たちの国芳 わたしの国貞」を観たついでに、ル・シネマで「山河ノスタルジア」を観た。
せっかくBunkamuraまで来たのだからと思ったのだが、「国芳、国貞」展に比べて館内は人影まばらで、ちょっと寂しい。

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映画は、1999年、2014年、2025年の3つの時代で構成されている。

1999年、山西省・汾陽<フェンヤン>。
小学校教師のタオは、幼なじみの2人の男性から思いを寄せられている。
炭鉱で働くリャンズーと実業家のジンシェンだ。
タオはジンシェンのプロポーズを受け入れ、2人の間には息子・ダオラーが誕生する。

2014年。タオはジンシェンと離婚し、一人汾陽で暮らしていた。
タオの父親が亡くなり、葬儀に出るために戻ったダオラーと再会。
父親と上海で暮らすダオラーは、見るからに洗練された都会っ子だ。
タオは、2人がオーストラリアに移住することを知る。

2025年、オーストラリア。
19歳のダオラーは、長い海外暮らしで中国語が話せなくなっていた。
豊かな生活の中にあって、逆にやりたいことが見いだせない。
そんな中、親子ほどに歳の違う中国語教師ミアと出会う。


タオとジンシェンが離婚に至る経緯は一切描かれていないが、そもそもタオはなぜジンシェンを選んだのだろう。
金儲けはうまいかもしれないが、自分勝手で品性に欠ける男だ。
かといって、リャンズーも経済力のないはっきりしない男。
私なら、たぶんどちらも選ばない(笑)

19歳になったダオラーが年上のミアに惹かれるのは、そこに母親の面影を見るからだろうか。
でもミアは、母親のタオよりもっと老けて疲れて見える。
ダオラーがミアに寄せる思いは、恋ではないのかもしれない。

まぁ、いろいろ突っ込みながら観ていたが、唐突な終わり方を含めて、なかなかいい映画だった。
経済成長著しい中国で、時代の波に乗る者、取り残される者。
長年炭鉱で働き貧困の中で病魔に倒れたリャンズーはもちろん、うまく時代の流れに乗り成功を収めたはずのジンシェンも、その恩恵に預かった息子のダオラーも、だれも幸せには見えない。
そして、時代がどんなに変貌を遂げようと、母が子を思い子が母親を慕う気持ちは普遍だ。
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by masayama-chan | 2016-05-21 21:13 | 映画三昧 | Comments(0)

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