「沈黙―サイレンス―」   

先週の火曜日(16日)、下高井戸シネマで、「沈黙―サイレンス―」を観た。

今年1月の公開時には見逃してしまったのだが、ラッキーなことに下高井戸で捕らえる?ことができた。
                                                

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監督は巨匠マーティン・スコセッシ。

原作は50年前に刊行された遠藤周作の同名小説だ。

スコセッシ監督が原作と出会って28年。

映画化は困難と言われながら、数々の試練を乗り越えて完成させた渾身の一作である。

                                                           

江戸初期。幕府によるキリシタン弾圧が激しい長崎が舞台だが、戦後の日本文学を代表する原作の内容を、今さら話す必要もないでしょう。
                                                 

映画は、原作にほぼ忠実だ。

外国人監督によって描かれる日本は、どこか違和感が漂うケースが多々あるが、この作品には全くない。

原作に忠実なだけに拷問や処刑のシーンは避けられないが、映像で目のあたりにするとその酷さに息をのむ。
                                                   

自らの信仰を貫いて命を落とす信者たち。

信仰を貫くのか、信者の命を守るため信仰を捨てるのか、究極の選択を迫られる宣教師ロドリゴ。

キリシタンでありながらロドリコを裏切り、生き延びる卑怯者のキチジロー。

いったい何が正しいのか、混乱するばかりだ。
                                                 

ロドリコが棄教(転ぶ)した後の亡くなるまでの話は、監督が付け足した感じだ。

きれいにまとまった感じがしないでもないが、スコセッシ監督の思いが詰まったラストシーンなのでしょう。
                                                     

信仰を持たない私が感想を述べるのは、畏れ多い。

ただ、ロドリコの師で棄教したフェレイラ宣教師の言葉が印象深い。

「日本人は今日まで神の概念はもたなかったし、これからももてないだろう」

そして彼らがたずさえてきた苗は、

「日本の沼地でいつの間にか根も腐っていった」

ちなみに、キチジローのモデルは作家自身らしい。


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by masayama-chan | 2017-05-21 20:07 | 映画三昧 | Comments(2)

Commented by チヒロ at 2017-05-22 13:15 x
マサさん、こんにちは。
改めて、マサさんの映画日記は読みごたえがあるなあ・・と感心しています。「沈黙」をご覧になったのですね。マーティン・スコセッシ監督といえば、ずいぶん昔の「タクシー・ドライバー」くらいしか私は見たことがないですが、日本の昔の映画にも造詣が深いと聞いたことがあるので、「沈黙」はまさに当然のなりゆきだったかもしれませんね~。
ただ、処刑シーン、などと聞くと怖くてちょっとためらいます。以前、篠田正浩監督、岩下志麻主演で映画になりましたよね、あの時も怖くて(!?)見られない私でした(笑)小心者なもので~。

神代植物公園お散歩も、さぞ楽しいひとときだったことでしょう!
Commented by masayama-chan at 2017-05-22 16:20
チヒロさんへ(マサ)

私も小心者だけど、怖いもの見たさというか(苦笑)
でも、思わず目を覆ってしまった場面もありましたね。

篠田監督のは、残念ながら観ていません。
マーティン・スコセッシ監督と言えばちょっと思いつくだけでも、「アビエイター」「ディパーテッド」「シャッターアイランド」「ウルフ・オブ・ウォールストリート」など観ています。
全部、レオナルド・ディカプリオが出ていますね。なぜならレオが見たくて行ったから(笑)

アカデミー賞の作品賞と監督賞を獲った「ディパーテッド」よりも、私は「アビエイター」の方が好きです。レオはこの作品でオスカーを獲るべきだったと思っているんです。評論家みたいだけど(笑)

明日は、「映画 夜空はいつでも最高密度の青空だ」を観に行こうかと思っています。ヒマ人ですよね(笑)

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