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「悪人」   

梅雨どきは、読書するにはうってつけ。
洗濯も掃除も、ちっともやる気が起きないし、雨足が強いと出かけるのもおっくになる。

言い訳しつつ、図書館で借りてきた本を、ここ2日で一気に読んでしまった。
吉田修一の、「悪人」と「元職員」
どちらも、罪を犯した男が主人公だ。

吉田修一は、わりと好きな作家のひとり。石田依良よりずっ~といい(なぜ石田依良が出てくる?)
「東京湾景」も「7月24日通り」もよかったけど、今回読んだ「悪人」が私の中では一番。

若い女性が殺害される。加害者は、土木作業員の青年だった。無口だけど心根のやさしい彼が、なぜ?

「幸せになりたかった。ただそれだけを願っていた」

純朴で生きることに不器用な善人は、人生の敗者にしかなれないのか。
悲しい話だった。
「あの人は悪人やったんですよね?~~~~ねぇ?そうなんですよね?」
物語は、この問いかけで終わっている。
私は、「NO!」と答えよう。


右は、「夏目漱石全集」と井上ひさしの「吉里吉里人」
父の蔵書だ。実家から持ってきて、今夫が読んでいる。
「お父さんの遺品は、本と碁盤だけ」と母は言うけど、お母さ~ん、そんなことないよ。碁石もだよぉ~(笑)
「悪人」_a0108328_18565460.jpg

by masayama-chan | 2009-07-03 19:00 | 本だな | Comments(6)

Commented by としちゃん at 2009-07-03 22:40 x
へー、私、吉田修一ってまだ読んだことないんです。
なんだか面白そうね。今度、図書館で借りてこようかな。
Commented by 新米 at 2009-07-03 23:13 x
恥ずかしながら、私は吉田修一という作家がいることすら知らなかった(汗)
マサさんのお薦めなら是非読んでみたいです。
まずは一番のお薦めの"悪人"を。

お父様の蔵書、私と趣味が同じで何だか嬉しい♡
夏目漱石も井上ひさし(井上ひさし脚本のお芝居も面白くて殆ど観ています)も昔から大好きです。
本と囲碁がご趣味だったなんて素敵なお父様ですね。
Commented by としちゃんへ(マサ) at 2009-07-04 20:18 x
厚い本なのですが、群像劇なので一場面一場面が短くて、飽きず?に最後まで読めちゃいます。
としちゃんの好みかわからないけど、時間があったら読んでみてね。
Commented by 新米さんへ(マサ) at 2009-07-04 20:23 x
夏目漱石の全集には、「我輩は猫である」「坊ちゃん」「こころ」「それから」など、代表的な作品が収められています。でも、ものすご~く字が小さいの。それに、難しい漢字が多い(汗)。この体裁だと、今の若者はちょっと引くかもね。
父は、囲碁はけっこう強かったみたい。でも本は、「積んどく」だと、母は言ってます(笑)
Commented by ひょっこり at 2009-07-05 17:40 x
マサさん、吉田修一がこういう近著を書いてるなんて知らなかった。
純朴で生きることに不器用な善人は、人生の敗者って・・・私のことかしら?? 東京湾景は大好きな1冊だった。韓国青年との恋だよね。 ヨシ「悪人」チェックしておく。 梅雨時はホント読書がいいかも?「朗読者」読み終わりました。そんで・・・「剣岳」映画鑑賞券金券ショップで売り切れだったの(ガクン)1800円の支払いに迷い、結局本を買ってしまったよ~。読んでから観るかなあ?
 
Commented by ひょっこりさんへ(マサ) at 2009-07-05 22:37 x
朝日新聞に連載されてたそうよ。実際にあった事件をモデルにしているのかなぁ~って、ちょっと思った。やり切れないラストだけど、「?」に私は希望を繋いだの。

「朗読者」、どうだった?「剱岳」は、夏休みに向けロングランになるかもね。ご主人とどうかしら?ほら、ペアチケットで(^^♪

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