2017年 12月 07日 ( 1 )   

「光」   

おととい(火曜日)、新宿武蔵野館で「光」を観た。

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原作は、三浦しをんの同名小説。

ただ、私が好きな彼女の小説、たとえば「風が強く吹いている」や「舟を編む」とは、一線を画する。

とにかく暴力的で不気味な作品である。

東京の離島・美浜島。

そこに暮らす幼なじみの3人、中学生の信之と美花、小学生の輔(たすく)。

信之と美花は恋人同士。

信之を兄のように慕う輔は、父親から激しい虐待を受けている。

ある日、信之は森の中で美花が男に乱暴される光景を見て、美花に乞われるまま男を殺害する。

目撃した輔は、殺された男の姿をカメラに収める。

翌日、地震が発生し、島は津波で壊滅状態に。

あの森での出来事も、消滅したはずだった。

25年後。

役所に勤める信之は、妻子と一見平穏に暮らしている。

美花は出自を封印し、芸能界という華やかな世界で脚光を浴びる。

ある日、もう会うこともないはずの輔が、信之の前に現れる。

消滅したはずの過去を携えて。

信之に井浦新、輔に瑛太、美花に長谷川京子が扮している。

粗野で薄汚い瑛太も迫力があるが、表情のない井浦新が不気味で怖い。

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輔は、美花のために信之が自分を殺すことはわかっていた。

それを望んでいたのかもしれなかった。

信之の美花への愛がいびつなら、輔の信之への思いもいびつな愛の形なのかもしれない。

血まみれの瑛太より、能面のような井浦新の方が、やはり怖かった。

観ている間はずっと不快だったけど、観終わったあとは切なくなった。

暴力的だろうと、これは愛の物語かもしれないね。
                                          

新宿武蔵野館のロビー。


     僕たちは、人間のふりをして、生きている

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by masayama-chan | 2017-12-07 15:24 | 映画三昧 | Comments(2)