カテゴリ:映画三昧( 173 )   

「海辺の生と死」   

昨日、テアトル新宿で「海辺の生と死」を観た。

原作は、島尾敏雄の短編小説「島の果て」と、妻ミホの小説「海辺の生と死」。

あの「死の棘」の夫婦の出会いを、抒情豊かに描いた作品である。


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2次世界大戦末期、奄美群島の加計呂間島で、朔(島尾敏雄がモデル)とトエ(ミホがモデル)は出会う。

トエは国民学校の教師。

朔(さく)は、島に赴任してきた海軍特攻艇部隊の隊長。

死を覚悟した極限の状況の中で、ふたりは惹かれ合い、逢瀬を重ねる。

特攻戦の命が下された813日の夜、トエは頭から水を被って身を清め、死装束を身にまとって浜辺へ向かう。

朔の出撃を見届けたあと、岸に立ち喉に短剣を突いて自決するつもりでいた。

だが、出撃を前にして、終戦。

映画はここで終わるが、死をもって終わるはずだった2人の恋の行く末は、「死の棘」で私たちが知るとおりだ。

島の景色も言葉も唄も、民話?のように叙情的でのどかだ。

集団自決のための穴を掘る島民の表情も、なぜか悲壮には見えない。

それだけ死は身近だったのかもしれない。

トエに満島ひかり、朔隊長に永山絢斗が扮している。

若き特攻艇隊長の複雑な心理を演じた永山絢斗も魅力的が、満島ひかりの演技は圧巻。

「トエ役にはこの人をおいていない」と思わせる。

一途なひたむきさは、その後夫の情事により正気を失い精神に異常をきたすミホを連想させなくもなかった。


偶然にも、今図書館で借りてきた「狂うひと」を読んでいる。

梯久美子による島尾ミホの評伝だ。

650ページを超える大作で、明後日返却期限だというのに、まだ50ページくらいしか読んでいない(汗)

表紙の写真は、敏雄と出会ったころのミホ。

キレイな人でしたね。


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by masayama-chan | 2017-08-09 21:15 | 映画三昧 | Comments(2)

ジャッキー   

火曜日、下高井戸シネマで、「ジャッキー/ファーストレディ最後の使命」を観た。


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19631122日、テキサス州ダラス。

第35代アメリカ大統領ジョン・F・ケネディが、オープンカーでパレード中に銃弾に倒れた。

世界中を驚愕させた暗殺事件だ。

目の前で夫を殺された大統領の妻・ジャクリーン・ケネディ(愛称ジャッキー)の人生は、この日を境に一変する。

大統領の暗殺から葬儀までの4日間を、ファーストレディであったジャッキーの視点から描いた映画である。

愛する夫の死を悼む時間もないほど、さまざまな対応に追われる。

葬儀の段取り、ジョンソン副大統領の大統領就任式への出席、ホワイトハウスからの退去……。

直ちに新しい大統領が就任するのは仕方がないことだ。政治の空白は許されない。

ただ事件直後から、夫が「過去の人」となっていくことに、寂しさと憤りを覚えるジャッキー。

ファーストレディとしての最後の使命は、夫の名を後世に残すこと。

決意を胸に、葬儀の式次第にあたっては自らの考えを主張する。

「夫を人々の心に刻みつける。圧倒的な美しさで」

画面は、ジャッキーを演じるナタリー・ポートマンの独壇場。

悲しみ、憤り、不安や混乱……。鬼気迫るアップの連続だ。

知的で意志的な顔立ちは、本人によく似ている(気がする)

まぁ、ご本人よりははるかに美しいけど。

回想を絡ませたホワイトハウス内のシーンが多いだけに、「退屈」という人がいるかもしれない。

私には、当時のファッションや白黒テレビ時代のホワイトハウスが興味深かった。

ナタリー・ポートマンの迫真の演技や美貌ぶりも十分楽しめた。

ところで、暗殺事件の真相は解明されたんでしたっけ?
犯人だと思われたオズワルドも狙撃されしまうんですよね。撃ったのはジャック・ルビー。
私が知っているのは、ここまでです。


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by masayama-chan | 2017-07-27 21:07 | 映画三昧 | Comments(0)

「劇場版ポケットモンスターキミにきめた!」   

おとといの海の日(17日)は、Tラと映画を観に行った。

タイトルは言うまでもない。

「劇場版ポケットモンスターキミにきめた!」

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娘は福岡へ出張中、この日はお婿さんも仕事のため、Tラは朝早くから我が家へやってきた。

前日の日曜日には、お婿さんと読売ランドへ行ったとか。

私には全く興味のない映画(失礼)だが、読売ランドよりはましか(笑)

「ポケモン」とは何か、概要を初めて知った。

固有名詞ではなく、ピカチューを始めとするさまざまな生物(キャラクター)の総称らしい。原点はゲームソフトだ。
                                             

この映画では、10歳の誕生日を迎えた少年サトシがポケモントレーナーの資格を得て、ピカチューをパートナーに旅に出る。

終盤の、ポケモン同士のバトルが見どころだ。
 
広い館内は親子連れでいっぱい。                                          

私の横にいた男の子は、リュックを背負って一人で観に来ていた。
小学3年生くらいかな。

画面にキャラクターが登場する度に、「あ、〇〇〇」とつぶやく。
すべてのキャラクターの名前を知っているようだ。

身を乗り出して食い入るように観る様子から、男の子のワクワク感が伝わってきて、なんだか微笑ましかった。

あと2、3年したら、Tラも一人で鑑賞できるだろうか。

映画館に連れてさえ行けば、一人で観ることはたぶんできるだろう。

私は私で自分の好きな映画を観るのだ。フフフ。
                                             


週末から、次女と一緒に里帰りしているネコ。

気配を全く感じさせないくらい、大人しい。

飼い主似かな。

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by masayama-chan | 2017-07-19 15:30 | 映画三昧 | Comments(0)

「22年目の告白-私が殺人犯です-」   

先週の木曜日、府中の映画館で、22年目の告白-私が殺人犯です-」を観た。
                                                   

私らしくもない映画(?)だが、実は出演者のひとりである仲村トオルの隠れファンなのです(別に隠れなくてもいいか)


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内容にはそれほど期待してはいなかったが、思っていた以上に面白かった。

ネタバレになるので詳しくは書けないが、予想外の展開、そして驚愕の結末だ!

1995年、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件が発生したこの年に、東京で5件の残虐な連続殺人事件が起きた。

未解決のまま時は流れ、時効を迎えた22年後の2017年、犯人を名乗る男が驚くべき形で登場する。

彼は事件を綴った手記「私が殺人犯です」を大々的に発表。
本はベストセラーとなり、一躍時の人となる。

犯人を名乗る男・曽根崎に藤原竜也。

犯人を逮捕寸前まで追い詰めながらも取り逃してしまった刑事・牧村に伊藤英明。

事件当初から取材を重ね、真実を追求してきたフリージャーナリスト・仙堂に仲村トオル。

仙堂がメインキャスターを務める生放送のニュース番組に、曽根崎と牧村が出演することになる。
テレビスタジオで対峙する2人。そこに、真犯人を名乗る人物が現れて……。
目が点の展開だ。

藤原竜也の演技が素晴らしいと評判?らしいが、私はあまり魅力を感じなかった。

伊藤英明は、私の知っている(つまり若いころの)伊藤英明ではなく、渋くて味のある俳優になっていた。

面白いが、残虐・猟奇的ともいえるシーンが多々あり。

年齢制限はないようだが、よい子にはお薦めできません。


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by masayama-chan | 2017-07-04 19:48 | 映画三昧 | Comments(2)

「セールスマン」   

昨日、新宿のシネマカリテで「セールスマン」を観た。

今年のアカデミー賞で、外国語映画賞を受賞したイラン・仏映画だ。

監督と主演女優が、トランプ政権の入国制限命令に抗議して授賞式への参加をボイコットしたことでも話題となった。
                                               

シネマカリテへの階段

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イランの首都テヘラン。

国語教師の夫・エマッドと妻・ラナが暮らすアパートは、隣接地の建設工事のせいで倒壊の危機に……。

友人に紹介され移り住んだアパートで、悲劇は起きる。

夫の留守中に、ラナが暴漢に襲われてしまうのだ。
                                          


お国柄でしょうか、暴行のシーンがあるわけではない。
観客は、会話や状況から想像をたくましくするだけだ。
                                          

表沙汰にしたくないゆえに警察への通報を拒む妻。

一方、夫は復讐に燃え、自力で犯人を探し出そうとする。

そっとしておいて欲しい妻と、行動を起こす夫。

2人の気持ちはすれ違い、不協和音を生む。
                                               

夫が追い詰めた犯人は、想像もできないような人物だった。

そして終盤、予想外の展開に。

悲劇的な結末と言えなくもないが、果たしてそう言い切っていいのやら。                                            「心理サスペンス」と予告にはあるが、私には妻の心根のやさしさが印象に残った。
                                             

タイトルの「セールスマン」は映画の内容に即さないのでは?と思われそうだが、これには仕掛けがある。

夫婦は、小さな劇団に所属していて、ちょうどアーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」の舞台に立っている。

夫は老セールスマン、妻はセールスマンの妻の役だ。
                                         

ファルハディ監督によると、「時代の変化に取り残された戯曲の主人公の境遇を、急速に近代化が進むイランの社会状況に重ね合わせた」

ふむ、奥が深い。

言われてみれば、事の初めのアパートの倒壊危機も、近代化を急ぐ側面と、そこからはじき出される人々を描いて暗示的だ。
                                           


シネマカリテで映画を観たのは初めて。

新宿東南口から徒歩2分。さすがに迷わないで行けた(笑)

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小さいけど、素敵な映画館だった。

座席はゆったりとしていて、座り心地がよく、おしゃべりしている人もいない。

静かに映画を鑑賞するのには、最高の劇場だ。


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by masayama-chan | 2017-06-28 15:53 | 映画三昧 | Comments(0)

「光」   

「まぁ、よく観に行くわね」と言われそうだが、昨日新宿バルト9で、河瀬直美監督の「光」を観た。

今年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された作品だ。

惜しくも賞は逃がしましたが。


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視力を失いつつある著名なカメラマンと、映画の音声ガイドの制作に携わる女性の話である。

映画の音声ガイドとは、目の不自由な人のために、風景や登場人物の動きを言葉で伝える仕事だ。
                                              

主役のカメラマン・雅哉に、永瀬正敏が扮している。

カメラマンにとって光を失うとは、どれほど残酷なことか。

その悲しみや苛立ち、深い絶望を、永瀬正敏が体全体で見事に演じている。

去年「64(ロクヨン)」を観たとき、「永瀬正敏って、こんなにうまい役者だっけ」と感心したが、今回も観ている者の心に沁み入るような演技だ。
                                           

もう一人の主役は、音声ガイド製作者の美佐子(水崎綾女)。

彼女は、ガイド原稿のレクチャーの場で、モニターの雅哉から「今日のガイドは今のままなら邪魔なだけ」と酷評され、反感を覚える。

でも、この出会いから、ふたりは少しずつ近づいていくのだ。
                                              

視力を失っても、希望の光はあるのだろうか。
かけがえのない人がそばにいてくれたら、たとえ道が暗くても歩いていけるだろうか。

静かな感動を覚える作品だが、パンフ等に記された「珠玉のラブストーリー」という文言に、「ン?」と引っかかった。
                                                      

たまたま今、山田詠美の「珠玉の短編」を読んでいるせいか。

短編集なのだが、本のタイトルにもなっている「珠玉の短編」は、女性作家の話だ。

作家・夏耳漱子は、出版社から送られてきた某小説雑誌の目次を見て、たまげる。

なんと、自分の書いた小説の題名の横に「珠玉の短編」とあるのだ。
気味悪!と放り出してしまう。

なにしろ彼女の作品は、下品さ、えげつなさがウリ。格調高さは敵である。
それを、「珠玉の短編」とはなんだ!担当編集者の怠慢だ。やっつけ仕事だ。許せん!

誉めどころに苦労する短編には「珠玉の」と付けておくのがならいなのに違いないと、夏耳先生、憤ること甚だしい。
                                              

「光」は格調高い作品ではあるけれど、「珠玉のラブストーリー」とはね。

甘~い恋愛映画の宣伝文句のようで、どうもしっくりこない。

河瀬監督はこだわりが強そうに見えるけど、その辺りはどうなんでしょう。

夏耳漱子先生(なんともふざけた名前だが)とは、違うか。

話が逸れましたねm(__)m


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by masayama-chan | 2017-06-03 21:22 | 映画三昧 | Comments(2)

「夜空はいつでも最高密度の青色だ」   

昨日(23日)、新宿ピカデリーで、映画「夜空はいつでも最高密度の青色だ」を観た。


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長いタイトルだけど、原作は最果(さいはて)タヒの同名の詩集。

「最果タヒ」とは初めて聞く名だが、2008年に21歳で第13回中原中也賞を受賞するなど、注目の詩人だそうだ。

累計27,000部を売り上げたという詩集の映像化に挑んだのは、石井裕也監督。

2017年、東京。

看護師をしながら夜はガールズバーで働く美香(石橋静河)。

建設現場で日雇いとして働く慎二(池松壮亮)

2人は、人身事故で電車が止まった夜の渋谷で偶然出会う。

一言でいうと、ピュアな恋愛映画である。

看護師の美香は、ネガティブで自虐的。愛や恋にも極端に冷めている。
つらい場面でも、「大丈夫、すぐに忘れるから」と自分に言い聞かせる。
投げやりなようでいて、実は繊細で傷つきたくないゆえに人生を慎重に生きているふうにも見える。

一方、日雇い労働者の慎二は、左目がほとんど見えない。
不安を抱え、経済的にもギリギリの状況の中で、必死に生きている。

大都会の片隅で、不安や孤独を抱えた不器用な若者が出会い、少しずつ近づいていく様は微笑ましく愛おしい。
                                     

しか~し、ふたりの会話やナレーション(たぶん詩集の中の言葉だろう)には、私はどうも青臭ささを覚えてしまう。

この映画に感情移入するには、自分は歳を重ね過ぎてしまったのだろう。
                                                 

そんな私が共感を覚えたのは、慎二の建設現場の仲間で、さえない中年男の岩下(田中哲司)だ。

岩下は腰を痛め、もう建設現場では働けない。
手がむくんでズボンのチャックも閉められない(苦笑)。
金もない。風采も上がらない。厳しい現実に直面しながらも、居酒屋で、
「ざまぁみろだ。俺は生きている!恋だってしている!」と、言い放ってみせる。

岩下は、コンビニのアルバイト店員にはかない恋をしているのだ。

どんな人生にだって小指の先ほどの希望はあるのだ、と思ったら涙が出た(泣くシーンではないが)
                                             

美香役の石橋静河は、演技がぎこちなくて素人っぽいが、そこが新鮮でもあった。

石橋凌と原田美枝子の次女だそうだ。それを知って、なるほどね~(何が?・笑)
                                         

「舟を編む」では日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した石井裕也。
詩集の言葉を膨らまして映像化する手腕はさすがだ。
30代にして既に名監督の風情だが、私は初期のころの「川の底からこんにちは」が一番好き。


http://masadry.exblog.jp/11166847/


                                         

新宿ピカデリー。
「新宿ピカデリー」より「テアトル新宿」っぽい映画だった(つまり単館系ということ)

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by masayama-chan | 2017-05-24 20:46 | 映画三昧 | Comments(0)

「沈黙―サイレンス―」   

先週の火曜日(16日)、下高井戸シネマで、「沈黙―サイレンス―」を観た。

今年1月の公開時には見逃してしまったのだが、ラッキーなことに下高井戸で捕らえる?ことができた。
                                                

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監督は巨匠マーティン・スコセッシ。

原作は50年前に刊行された遠藤周作の同名小説だ。

スコセッシ監督が原作と出会って28年。

映画化は困難と言われながら、数々の試練を乗り越えて完成させた渾身の一作である。

                                                           

江戸初期。幕府によるキリシタン弾圧が激しい長崎が舞台だが、戦後の日本文学を代表する原作の内容を、今さら話す必要もないでしょう。
                                                 

映画は、原作にほぼ忠実だ。

外国人監督によって描かれる日本は、どこか違和感が漂うケースが多々あるが、この作品には全くない。

原作に忠実なだけに拷問や処刑のシーンは避けられないが、映像で目のあたりにするとその酷さに息をのむ。
                                                   

自らの信仰を貫いて命を落とす信者たち。

信仰を貫くのか、信者の命を守るため信仰を捨てるのか、究極の選択を迫られる宣教師ロドリゴ。

キリシタンでありながらロドリコを裏切り、生き延びる卑怯者のキチジロー。

いったい何が正しいのか、混乱するばかりだ。
                                                 

ロドリコが棄教(転ぶ)した後の亡くなるまでの話は、監督が付け足した感じだ。

きれいにまとまった感じがしないでもないが、スコセッシ監督の思いが詰まったラストシーンなのでしょう。
                                                     

信仰を持たない私が感想を述べるのは、畏れ多い。

ただ、ロドリコの師で棄教したフェレイラ宣教師の言葉が印象深い。

「日本人は今日まで神の概念はもたなかったし、これからももてないだろう」

そして彼らがたずさえてきた苗は、

「日本の沼地でいつの間にか根も腐っていった」

ちなみに、キチジローのモデルは作家自身らしい。


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by masayama-chan | 2017-05-21 20:07 | 映画三昧 | Comments(2)

「追憶」   

昨日は府中の映画館で「追憶」を観た。

「追憶」といっても、バーバラ・ストライサンドとロバート・レッドフォードが共演したあの名作ではもちろんなく、降旗康男監督、岡田准一主演の最新作だ。
                                               

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1992年、冬。舞台は富山。

親に見捨てられた3人の少年(四方篤、田所啓太、川端悟)は、喫茶店を営む涼子(安藤サクラ)のもとに身を寄せていた。
                                                  

日蝕が観測された1224日、事件が起きる。

動揺する少年たちに涼子は、「すべてを忘れなさい」と、強く諭す。

彼らは離れ離れとなり、事件の真相は封印された。
                                               

25年の時を経て、3人は思わぬ形で再会する。

ある殺人事件の刑事・容疑者・被害者として。

刑事・四方篤に岡田准一、容疑者・田所啓太に小栗旬、被害者・川端悟に柄本佑という配役だ。
                                                  

どこか既視感のあるストーリーである。

終盤のあっけない事件解決にも、拍子抜けした。

それでも、胸にぐっとくるシーンはたくさんあった。

重い過去を背負った者が歩んできた人生は、それだけで健気だ。

名カメラマン・木村大作による映像も、詩情あふれる感動的な美しさだった。
                                             

岡田クンは熱演だけど、柄本佑の飄々とした演技に比べると、力が入りすぎて硬い感じがしないでもない。
柄本佑は、演技をしていないような演技が巧みだ。

小栗旬は、フツー(笑)。岡田クンと並ぶと身長差が気になったけど。
                                             

岡田クンの母親役にリリィ。
息子にお金の無心をする、酒浸りのしょうもない母親だ。

リリィはその昔「私は泣いています」と歌っていたけど、歳を重ねて味のある女優になった。

でも、惜しいことに昨年亡くなりましたね。
                                         

平日だけど、結構混んでいた。熟年層が多く、そのほとんどが女性。
鼻をすする音も聞こえた。


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by masayama-chan | 2017-05-10 16:18 | 映画三昧 | Comments(0)

「ムーンライト」   

今日は、南大沢で「ムーンライト」を観た。

今年のアカデミー作品賞に輝いた作品だ。


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ひとりの少年の成長物語といっていいのだろうか。

幼少期、少年期、青年期の3つの時代が、時系列に描かれている。

1.幼少期(リトル)

舞台は、マイアミの貧しい地域。

小柄なシャロンは、「リトル」というあだ名の内気な少年。

友だちから「オカマ」とからかわれ、いじめられている。

「オカマ」の意味がわからないシャロンだが、異質なものに子供たちは敏感だ。

ある日、いじめっ子から逃れて空き家に隠れていたシャロンは、麻薬の売人ファンと知り合う。

波立つ夜の海で、シャロンがファンに泳ぎを教わるシーンが、とても印象的だ。

ファンは、「月の明かりで、黒人はブルーに輝く」みたいなことを言う。

彼は、とても大切なことをシャロンに伝えたかったのではないだろうか。


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2.少年期(シャロン)

高校生のシャロンに金をせびる麻薬中毒の母。

父親のような存在だったファンは亡くなり、家に居場所はなく、シャロンは孤独だ。

学校ではゲイとからかわれ、いじめはエスカレートする。

ある夜のこと。唯一の友だちともいえるケヴィンと、人気のない浜辺でシャロンは初めて触れ合う……。
                                           

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3.青年期(ブラック)

線の細かったシャロンが、ムキムキのマッチョな男に変身したのには、ちょっとびっくり。

白い歯に金をかぶせ、凄みのある佇まいだ。

なんと、仕事は麻薬の売人。

こんな生き方しかできなかったのか。

ある日、思いがけなくケヴィンから電話がかかってくる。

そして、シャロンはケヴィンと再会する。

ケヴィンは料理人になっていた。

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ラスト近く、シャロンはケヴィンに告白する。

あの浜辺の夜以来、誰にも触れていないと。

観終わって、はたと気づいた。

これは、純愛映画ではないのかと。
貧困、麻薬、性的マイノリティ、いじめ、さまざまな社会問題が描かれてはいるが、実は繊細な純愛物語なのだと


ところで、私の隣に座った年配の女性は、始まった直後からエンドロールまでずっと寝ていたzzz
予想していたような映画ではなかったのかもしれませんね。
でも、「ラ・ラ・ランド」ではなく、この作品がアカデミー作品賞に選ばれたのが私は嬉しい。




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by masayama-chan | 2017-04-06 23:25 | 映画三昧 | Comments(0)