「トガニ 幼き瞳の告発」
2012年 08月 07日
この日の約束がないことになって(悲)、急きょ予定を変更して新宿武蔵野館へ映画を観に行った。
「トガニ 幼き瞳の告発」
韓国で実際に起きた事件を扱った作品だ。
舞台は、郊外の霧の街ムジンにある聴覚障害者学校(寄宿舎)。
美術教師の職を得たカン・イノ(コン・ユ)が赴任するところから、物語は始まる。
着任早々、彼は衝撃的な場面に出くわす。校長や教師による子供たちへの目を覆いたくなるような虐待だ。
激しく殴られ、回る洗濯機の中に顔を突っ込まれ、性的暴行を受ける。自ら命を絶った少年さえいる。
地元の名士である校長を前に、幼い子供たちはあまりにも無力だ。
守ってくれるはずの警察は金で買収されて見て見ぬふりをし、役所に訴えても面倒なことには関わりたくないとばかりにたらい回し。
マスコミを利用し、やっと法廷で争えることになっても、司法や検察は100%彼らの味方ではない。
この辺りの構図は、日本と似ていなくもない。
痛々しい子供たちの姿には涙があふれ、凄絶な事実の描写は顔を背けたくなるほど。
でも、映画の持つ力は大きい。
当作品が公開されると、大きな社会現象を呼び起こし、法律を変えることが出来たというのだから。
現実を描いた映画が、性的虐待への処罰を強化する改正案を成立させる原動力となったのだ。
制定された法律は、映画名の「トガニ法」という。
不快なシーンもあるけど、凄惨な事実に真っ向から向き合った力強い作品だ。
ところで、主演のコン・ユは、ちょっぴりイノッチに似ています(笑)
by masayama-chan | 2012-08-07 18:47 | Comments(4)
理不尽なことには見て見ぬふりをせず、正面から向き合うことの大切さを教えられます。
日本でも、いっこうになくならない虐待やイジメ、見て見ぬふりの学校や教師や相談所。どこか通じるところが、あったりしませんかね。
だからたくさんの人、もちろん青少年にも見てほしいのに、R指定は私にはとても残念です。
こういう映画を見た直後って、自分も正義の味方みたいなノリになっちゃうのよね。
いわゆる告発映画なのだけど、硬くはなく娯楽性もあります。
主演のコン・ユは原作を読んで映画化を熱望したそうで、やさしげな韓流スターは、実は骨太な熱血漢であるのかもね。