「ペーパーボーイ 真夏の引力」
2013年 08月 01日
湿っぽく、肌にねっとりまとわりつくような不快感は、体調が悪かったせいだけだろうか。
1969年夏、フロリダ。
とある町の地元紙経営者の息子ジャックが、主人公。
大学を中退し、パッとしない日々を送っている。
ある日、兄が同僚を連れてやってくる。
兄ウォードは、マイアミの大手新聞記者。
保安官殺しで獄中にいる死刑囚が冤罪ではないかと疑い、取材に来たのだ。
でも、冤罪から死刑囚を救い出すとかいう、美しい話ではない。
湿った汚い場所で、腐敗した果物の臭いを嗅がされているような、そんな作品だ。
気骨のある新聞記者の兄ウォードが、同性愛者のマゾヒストだったというのもショックだけど、なにより不気味なのは沼の住人。
そう、沼。
湿っぽく、肌にねっとりまとわりつくような不快感は、この沼のせいなのかもしれない。
死刑囚を含めた沼の住人の、本能のままに行動する人間の不気味さは、言葉にできないほど強烈だ。
死刑囚の婚約者シャーロット。
獄中にいる死刑囚と文通だけで婚約した。
演じるのは、ニコール・キッドマン。
読売新聞の映画評に、「明日は腐る桃のような風情の運命の女」と、書かれていた。
美女の代名詞のようなニコさまが、ここまでやるか!
アッパレ!です。
by masayama-chan | 2013-08-01 15:57 | Comments(4)
もうずいぶん昔のこととなってしまいましたが。
ペーパーボーイは新聞屋さんのことなんですか。
なんだかちょっと暗いお話ですね。
そういえば、新聞といえば、A新聞の「ひととき」欄に、マサさんかと思える人の投書があって一瞬驚きました。
お嬢さんが仕事で忙しいので、1歳半の孫を保育園に送り迎えしている人の投書で、その孫を認知症の親のところに連れて行ったら、年老いた親がしっかりと喋り出したとかいう話でした。やはり小さな子どもというのは、お年寄りにも影響力が強いものですね。
とにかく、不快感がまとわりつくような、ダークな映画でした。
お勧めはしませんが、私としては印象に残る映画でしたね。
A新聞は購読していないので「ひととき」も読めないのですが、我が家と似たようなパターンでだわ。
母はまだ認知症ではないと思うけど。たぶん(笑)
小さな子は、人の心を動かすのね。気持ちを和ませることは確かですよね。
そういう私も昨日は「映画デー」だったので吉祥寺に「終戦のエンペラー」を観に行きました。 バウスシアターというとこですが、ここはたまに西島秀俊さんが出没するって言ってましたよね。
残念ながら昨日は出没はなかった(笑)
ここは近日放映の予告パンフをいつも大量においてくれるので、そこが好き。来月になるとあの福山の「そして父になる」芥川賞をとったあの変わり者、田中慎也の「共食い」が上映されます。
まあ外は暑くても映画館は涼しいからいいですね。
最後っ屁かましですけど・・・1969年、私は小学4年ということになります、だからなに・・ですが。若輩です、ハイ。
ニコール・キッドマンは、写真を2回もアップしてしまうほど、ホントに強烈でした。
例えば(ここで言うのもなんだけど)、クラゲに刺されて浜辺で仰向けに寝そべるジャックの上に、放尿しちゃうのよ。これ、アルコール消毒なの?
「終戦のエンペラー」はいかがでしたか。こっちも重い話ですよね?
「そして父になる」、「共食い」、どちらも見たいなぁ。9月が楽しみね。