「ボッティチェリとルネサンス」
2015年 05月 20日
「ボッティチェリとルネサンス」を観に行った。
サブタイトルは、「フィレンツェの富と美」
つまり、金と芸術。切っても切れない関係に迫った展覧会だ。
15世紀。ボッティチェリの数々の傑作は、フィレンツェの大銀行家メディチ家の支援を受け生み出された。
ボッティチェリに代表されるフィレンツェ・ルネサンスは、金融業の繁栄によってもたらされたものだ。
当時は金融業に対して偏見があった。金を貸して利息を稼ぐことは悪。
メディチ家をはじめとする銀行家は、汚いもの(金)を美しいもの(芸術)に投資することで、自らの行為(金を稼して儲けること)を償おうとしたのだろう。
ボッティチェリ「聖母子と二人の天使」 1468-1469 年頃(展覧会のHPから)
メディチ家凋落後、フィレンツェは危機に。
台頭した修道士サヴォナローラの影響を受けてボッティチェリは変容する。
サヴォナローラは、贅沢品や宗教上好ましくない芸術作品を燃やした。「虚栄の焼却」だ。
絵画の注文は途絶え、貧窮の中で亡くなったボッティチェリ。
多くの傑作を残しながらも最後は貧窮だなんて。
絵画だけでなく、当時の経済活動をうかがわせるフィオリーノ金貨(国際通貨)やさまざまな道具が紹介されていて、興味深い展覧会だった。
Bunkamuraの入口。
今回のチケットは、Tさんからいただいたもの。
Tさん、楽しめました~♪ありがとうございました。
by masayama-chan | 2015-05-20 19:19 | Comments(3)
学芸員さんのお話を聞いてから鑑賞すると、少しは分かりやすかったでしょうか?
ヨーロッパでも日本でも、かつては絵画はお金持ちの人たちしか鑑賞することができなかったのでしょうね。
そう思うと、現代は庶民も入場料さえ払えば、いろんな芸術に触れることができるので、それは幸せなことですね。
そうですね。学芸員さんのお話を聞いてから鑑賞すると、ただ絵画を観るだけでなく、歴史的な背景も伺えて興味が増しますよね。ありがとうございました。
この日は新宿に用事があって、新宿から山手線で渋谷に行ったのだけど、どうやって外(地上)に出ていいか迷ってしまいました(汗)
いつも井の頭線を利用しているから、山手線で渋谷に行くことってなかったような。
bunkamuraには、そう迷わずに行けました(笑)
私も、Bunkamuraザ・ミュージアムに『ボッティチェッリとルネサンス』展を見てきましたので興味深く読ませていただきました。日本でボッティチェリの作品を見る機会は少ないですが、今回は欧米各国から今まで類がないほど数多くのボッティチェリの作品が集められ、初期から晩年までの彼の作品を比較しながら観られることができ、大変良かったと思いました。師フリッポ・リッピの絵画からボッティチェリの絵画へ流れが分かり、大変勉強になりました。
私もこの美術館展で鑑賞したボッティチェリの絵画の感想と、フィレンツェ・ルネサンス絵画の盛期ルネサンス絵画の違いなどについて考察などをブログに整理してみました。一読いただき、ご意見やご感想などありましたらコメントいただければ幸いです。