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「黒田清輝展」   

昨日は、上野の東京国立博物館平成館で開催中の「黒田清輝展」へ出かけた。

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連休明けの平日とあって空いているかなと思ったのだが、予想外の混みよう。
上野公園全体が休日のような賑わいで、国立西洋博物館で開催中の「カラヴァッジョ展」に及んでは、チケット売り場の前に長打の列が……。
はて?連休が終わったあとの上野の森のこの混雑ぶりはどういうわけやら?


3月に江戸東京博物館で観た「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」では、ダ・ヴィンチ本人の作品は少なくて拍子抜けしたけど、今回は黒田清輝の作品がたくさんあった。
影響を受けたフランソワ・ミレーの作品も何点か展示されていて、得した気分。


ミレー風の風景画もよかったけど、女性を描いた作品に魅せられた。
教科書で目にした有名な「湖畔」

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でも私は「湖畔」より、フランス修業時代に描かれた「読書」や「婦人像」に惹かれた。
素朴で柔らかく、ふわっと心に溶け込む。

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生前は評価されることなく不遇のまま命を終えた画家が、世界には少なからずいる。例えばゴッホ。
その点、黒田清輝の画家としての生涯は恵まれたものではなかったのだろうか。
日本美術の近代化のために力を尽くし、画家としての地位を確立した。
生まれがよかったから、人脈も発言力もあったのかもしれない。
東京美術学校教授や第1回文展審査委員など数々の要職を重ね、54歳の時には貴族院議員に当選している。
でも、58歳という若さで生涯を終えるのは、誤算だったのではないか。
私は勝手ながら残念でならない。これだけの天性の画家が、政治などに時間を取られ画を描く時間が減ってしまったことが。
近代絵画史上、彼が日本にもたらしたものを考えれば、それは大きなお世話でしょうか。

by masayama-chan | 2016-05-11 21:51 | Comments(4)

Commented by としちゃん at 2016-05-13 07:39 x
マサさん、黒田清輝は58歳で亡くなったのですか。
でも当時としては平均寿命だったのかもしれませんね。
私は昨日、安田靫彦展に行きましたが、
この方は94歳まで生きて、生涯現役だったそうです。
どちらも教科書で有名な絵画をたくさん描いていた方ですね。
こっちもものすごく混んでいました。
Commented by masayama-chan at 2016-05-13 08:56
としちゃんへ(マサ)

画家は、わりと長生きの方が多いですよね。
黒田清輝は58歳で亡くなりましたが、100年経っても200年経っても人々を感動し続ける作品をたくさん残しました。
そう考えると、画家って素敵ですね。才能ないけど。

上野へ行ったついでに、カラヴァッジョ展も観ようかと思ったのだけど、あまりに混んでいそうでやめました。
Commented by desire_san at 2016-05-22 11:37
こんにちは。
黒田清輝展は行きたかったので、興味を持って読ませていただきました。当時日本で本格的な美術教育を行ったフォンタネージ(は、バルビゾン派とイタリア印象派の影響を受け他画家でしたので、フランスの印象派より温和なとロマンティズムの叙情的作品を描いていたので、黒田清輝をはじめ当時の日本の主流の洋画家は、このフォンタネージの影響を受けていたので、「柔らかく、ふわっと心に溶け込む」と表現されていますが、無縁の穏やかで作品が主流だったし考えられます。ゴッホのようなインパクトの強い色彩なのは、このような背景があるのではないかと思っています。私はまったく御人的好みですが、ゴッホのような
年関の強い絵画に惹かれてしまいますね。

私はオランダのゴッホ美術館に行って初期から晩年までのゴッホの作品見てきましたので、ゴッホの各時代の傑作の魅力とゴッホ美術の全貌について整理してみました。ゴッホの画風も変化を重ねていますが、黒田清輝と比べてみるのも面白いと思いますので、読んでいただけると嬉しいです。ご意見・ご感想などコメントをいただけると感謝いたします。

Commented by masayama-chan at 2016-05-25 15:29
desire sanへ(マサ)

絵画には詳しくないので、コメントなど恐れ多いです。
東京都美術館で開催された「若冲展」は、とんでもない混みようだったらしいですね。
私なら並んでまで入りたいとは思わないけど、最近の美術熱はすごいですね。

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