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「俺たちの国芳 わたしの国貞」   

五月晴れのすがすがしい天気が続く。
昨日は、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「俺たちの国芳 わたしの国貞」を観てきた。

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歌川国芳と歌川国貞は、江戸時代末期に活躍した浮世絵師。
平日にしては予想以上の混みようだった。
恥ずかしながら私は二人を知らなかったのだが、作品を観ればこの人気ぶりもうなずける。


入口近くにあった国芳の作品。
「国芳もやう正札附現金男 野晒悟助(のざらしごすけ)」
おぉよく見れば、男の着物に描かれた「どくろ」には、猫がいっぱい重なり合っているではないか(驚)
題名も、どこか人を食っている。
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国芳「相馬の古内裏に将門の姫君滝夜叉妖術を以て味方を集むる大宅太郎光国妖怪を試さんと爰に来り竟に是を亡ぼす」(長い題名!)
インパクトのあるドラマ仕立ての作品。
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国芳はどうやら猫とどくろが好きだったもよう。
歌川国芳 「初雪の戯遊」
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豪快な武者絵や趣向を凝らした仰天戯画を描いた国芳に対して、国貞は人気役者絵や繊細な美人画を得意とした。

歌川国貞「当世三十弐相 よくうれ相」
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歌川国貞「見立邯鄲」
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歌川国貞 「大当狂言ノ内 八百屋お七」
五代目岩井半四郎
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ボストン美術館には、なんと14,000枚を超える国芳、国貞の浮世絵があるらしいが、今回展示された作品はその中から厳選された名品だという。
アメリカでも広重ほどには有名ではないのか、一般公開される機会がほとんどなかったため保存状態がよく、色がほんとに鮮やかで美しい。
こんなにキレイな浮世絵には、もう出会う機会はないかもしれない。


国貞の絵も繊細で素晴らしいが、国芳の作品が強烈な印象を残す。
特に、猫が組み合わさったどくろが(笑)
人を楽しませようというサービス精神が旺盛な人だったかもしれない。

そして、ふたりだけでなく、彫師も摺師も素晴らしい。

by masayama-chan | 2016-05-19 19:02 | Comments(0)

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