「64ロクヨン」前編
2016年 05月 25日
昭和最後の年は、たった7日間しかなかった。
日本中が昭和天皇の死を悼み、喪に服した。
その昭和64年の、わずか7日の間に起きた少女誘拐殺人事件を扱った映画・「64ロクヨン」を、月曜日(23日)に観てきた。
平成14年。事件は未解決のまま時が過ぎ、時効が一年後に迫っていた。
かつてロクヨンの捜査にあたった主人公・三上義信(佐藤浩市)は、現在は警務部の広報官として働く。
少女誘拐殺人事件をベースに置きながら、警察という組織の複雑な人間模様を描いた骨太のドラマである。
三上がかつて所属した刑事部と、現在所属する警務部、両部の確執。
広報室と記者クラブの対立。
本庁から送り込まれたキャリア組と、地元出身のノンキャリア組との壁。
まさに職場は戦場のよう。そのうえ娘の家出という家庭問題も抱え満身創痍?の三上。
さまざまな難題に直面し、苦境に立たされながらも、葛藤し疲弊しながらも、三上は逃げない、あきらめない。
その精神性のなんてかっこいいことか。
同じ原作者(横山秀夫)による「クライマーズ・ハイ」を観たときのような高揚感を味わった。
警察と新聞社、刑事と記者といった背景の違いはあるにしても、組織内の軋轢にもまれながら働く男たちの仕事への情熱に、惹かれた。
私の好きな仲村トオルさんは、人事権を持つ警務課調査官・二渡を演じていて、三上の側から見ればちょっとイヤな奴だ(苦笑)
刑事部長のポストに本庁のキャリアが座るというウワサに、ノンキャリア組の心は穏やかでない。
調査官という立場に立つ二渡の言葉は正論だ(と思う)
「上司が誰になろうと、ひと月もすれば馴れる。組織とはそういうものだ」
「ロクヨン」を模した事件が発生したところで、前編は終わる。
後編もぜひ観なくちゃ。
by masayama-chan | 2016-05-25 15:16 | 映画三昧 | Comments(4)
横山さんのものは映像化しやすいのかしら。
佐藤浩市はこの手の映画の常連になりましたね。
私は「殿、利息でござる」を見たいのですが、なかなか時間がなくて、どうなることやら。
マサさんの映画コメントは、本当に素晴らしいです!
マサさんに「よかった」と言われれば本当に見たくなっちゃいますよ。「山河ノスタルジア」も、さすがに私より深く鑑賞されてます! ロクヨンは、この間うち、予告編で必ずやっていた(テレビでも)ので佐藤浩市が叫ぶセリフ、「警察はこんなこともわかんねえのか!」が耳から離れません。笑。
私もみて見ようかな。
映画は思い立ったらすぐ行かないと、観ようかな~と思っているうちに終わってしまいますよね。
としちゃんは忙しそうですけど、時間が許せばぜひ。
「殿、利息でござる」は、羽生くんが出るやつですよね。
お殿様役が、ぴったりはまっているそうですよ。
「山河ノスタルジア」、実は終盤ちょっとウトウトしてしまいました(汗)
唐突な終わり方でしたけど、タオが餃子をたくさん作っていたので、ダオラーはきっと帰ってくるのでしょうね。
ロクヨン、佐藤浩市と仲村トオルがわりと好きなので見に行きましたが、好きでなくても楽しめます。
後編の公開が6月中旬らしいので、その前にぜひ足をお運びください。宣伝しているみたいですね(笑)