カラヴァッチョ展
2016年 06月 08日
閉幕(6月12日)間近で混雑が予想されたため、朝8時過ぎに家を出た。
早い時間だったためか、混み具合もそこそこで、じっくり鑑賞できた。
50点ほどの展示作品中、カラヴァッチョの絵は11点。
「なんだ。少ないじゃない」と思ったものの、現存する彼の絵は60点ほどであり、その中には移動不可能な作品が多数あるということで、11点は決して少なくない数なのだろう。
そして、その11点はどれも完成度が高く素晴らしかった。
有名なバッカス。
衝撃を受けた作品「法悦のマグダラのマリア」
世界で初めて公開された。
マグダラのマリアは、イエスの死と復活を見届ける証人。
娼婦だった女が悔悛して神に救われる構図だと言う説も、どこかで聞いたかな?
大きくはだけた肩。半開きの口。薄目を開けた表情は般若のよう。
おなかのあたりの丸いものは何なのだろう。不気味だ。
死に逝くようにも、恍惚に体が弛緩しきったようにも見える。
カラヴァッチョは、血の気の多い暴力的な男だった。
ちょくちょく暴力事件を起こし裁判沙汰になった。
「法悦のマグダラのマリア」は、彼が殺人を犯してローマから逃亡し隠れていた時期に描かれたものだという。
タブーを犯した男が描いた禁断の絵を前に、体が震えた。
実に見応えのある美術展だった。
国立西洋美術館は世界遺産に登録されるという。
何度も訪れているが、それほど素晴らしい建物とは知らずにいた。
by masayama-chan | 2016-06-08 15:22 | Comments(0)