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ユマニチュードという革命   

おとといの日曜日(8月7日)、炎天下の中を四谷まで公開講座を聴きに行った。

場所は上智大学10号館講堂。
講座名は「ユマニチュードという革命」

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地味な講座だと思ったが、館内は800人の聴衆で溢れていた。
それだけ人々(関係者)の関心が高く、興味深い内容だということでしょう。


ユマニチュードのことは、以前ブログに書いたことがあるが、フランスで生まれたケアの技法である。
素人の私が詳しく説明するのは難しいが、一言でいえば、「人としての尊厳を守る認知症ケア」である。
技法は150にも及ぶと言うが、基本は「見つめて、触れて、語りかけて」
横から見るのではなく、正面から目と目を合わせ見つめる。
ただ話しかけるのではなく、実況中継をするように話しかけ続ける。
親指を使わず、手のひらで触れる。


この日は最初に、ユマニチュードの創始者であるイヴ・ジネスト氏とロゼット・マレスコティの基調講演があった。
2氏ともフランス語で話されるため、入り口でレシーバーが配られ、同時通訳された。
医療現場で普通に行われていることが、どんなに患者の尊厳を奪っていることか。そして、ユマニチュードにより患者はどう変わり得るか、映像を見ながら目からウロコの講演だった。


両氏の講演の後は、シンポジウム「ケアの科学的分析と実践」
静岡大学の先生とIT企業の経営者の話で、なかなか興味深い内容だった。
ユマニチュードがどんなに素晴らしくても、その技法を日本の医療・介護現場に広めるのは容易ではない。潤沢な人材が必要だし、費用も時間も莫大にかかる。
そこで、IT技術の登場だ。なにもロボットがケアを担うのではない。ユマニチュードの技法を学び、広げ、根づかせ、定着させるためにIT技術を活用させようという狙いだ。


最後は、「科学的分析に基づいたケアの実践」
進行役の方に、「女優のようですが……」と紹介されて壇上に上がった女性は、横にスリットの入ったロングドレス姿。
リゾート地でもあるまいし、明らかに場違いな服装だが、イヴ・ジネスト氏も赤いつなぎ服だからまぁいいか(苦笑)

彼女は、職場にユマニチュード技法の導入を試みる実践者(看護師)で、導入前と後の変化を科学的に分析してみせた。
明らかに成果は見られたが、今後どのように根づかせ継続していくかが課題だろう。
これほど大勢の聴衆の前で話したことはないだろうから多少緊張気味ではあったが、認知症患者に苦悩する医療現場の実態とそれを改善したいという思いが生々しく伝わって、よかったと思う。


3時間半の長い講座だった。
帰りは、インドネシア料理店に寄りビールをいっぱい飲んだ。お疲れさま!

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by masayama-chan | 2016-08-09 16:56 | Comments(0)

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