高橋順子さん、「夫・車谷長吉」を語る
2018年 02月 20日
講演会づいているが、先週は詩人・高橋順子氏の講演を聴いた。
タイトルは、「著書を語る 『夫・車谷長吉』」
順子氏は、車谷長吉の妻として過ごした4半世紀を回想した「夫・車谷長吉」を
昨年出版した。
長吉は、「ちょうきち」ではなく、「ちょうきつ」と読む。
唐代の詩人・李賀(字は長吉)にあこがれていたそうだ。
車谷長吉は、言わずと知れた直木賞作家である。
氏の作品は読んだことはないが、奇人・変人ぶり(失礼)は知っていた。
2015年5月に、誤嚥性窒息により69歳で亡くなった。
酒のつまみにと解凍した生イカを、喉に詰まらせたという。
生き方だけでなく、死に方もまた変わっていた。
順子さんの語る車谷長吉とのエピソードはどれも面白かったが、中でも印象に残ったのは、長吉に「妻はミス東大だった」と書かれた話。
確かに順子さんは東大仏文科を出ているが、「ミス東大」は真っ赤な嘘。
長吉は率直だが嘘つきだった。
まわりの微妙な反応に、順子さんは大いに困惑する。
これは、長吉の言葉に反論した順子さんへの「仕返し」だったらしい。
その長吉の言葉とは、「お前の顔は人並み以下だ」
反論して当然でしょうよ(>_<)
順子さんは派手な美人ではないが、静かなたたずまいの内面の美しさを感じさせる方である。
ひょっとして長吉にとっては「ミス東大」だったのかもしれないね(と勝手に推測する)
満席の会場は、講演者のゆっくりした静かな口調にも関わらず熱気があった。
私は、変人・奇人・強迫神経症の長吉に4半世紀寄り添った高橋順子さんってどんな人なのか興味があったのだが、会場のほとんどの方は車谷長吉の熱心なファンなのだと、質疑応答に耳を傾けながら思った。
車谷長吉って、こんなにも読者に愛された作家だったのね。
会場となった市の文化会館の一階では、レゴ展をやっていた。
どれもレゴで作ったもの。
by masayama-chan | 2018-02-20 18:41 | Comments(0)