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「鈴木家の嘘」   

水曜日、お茶の水の大学病院で検査を受けた帰り、新宿に寄って映画を観た。


「鈴木家の嘘」(新宿ピカデリー)

「鈴木家の嘘」_a0108328_20354417.jpg



引きこもりだった鈴木家の長男・浩一(加瀬亮)が、自室で首をつって死んだ。

それを見た母・悠子(腹日出子)は、ショックのあまり意識を失ってしまう。

四十九日を過ぎたころ、病院のベッドの上で目を覚ました悠子は、意識を失う直前の記憶を失くしていた。
浩一の名を口にする悠子に、長女の富美(木竜麻生)はとっさに言ってしまう。

「お兄ちゃん、ひきこもりやめてアルゼンチンで働いてる」

富美のついた嘘は、父親の幸男(岸部一徳)や悠子の弟(大森南朋)を巻き込んで増殖してく。

彼らの右往左往ぶりが、はたから見ればなんともユーモラスで笑える。

浩一を失った悲しみ、寂しさ、後悔、喪失感は、彼らの中で消えることはないだろう。

それでも日々の生活では、お腹もすくし、ふっと笑えることもある。

もがき苦しみ悲しみながらも、家族は生き続けるのだろう。


始まってすぐ、隣の客は席を立ってしまった。

いきなり首つりのシーンだものね。

でも、テーマは重くても、ほろ苦い笑いに包まれた心温まる映画だった。


by masayama-chan | 2018-11-30 20:36 | 映画三昧 | Comments(2)

Commented by クレオの母 at 2018-12-01 09:24 x
家族の自死、しかも息子、母親が意識を失い、その後記憶さえ失くしてしまうのは、自分に置き換えても想像できます。

でも、
「引きこもりをやめて、アルゼンチンで働いている」
のなら、
私は、アルゼンチンに飛んで行ってしまうかも🛩️

おっとっと!
物語の方向がズレてしまいました😂

重いテーマながらも、ほろ苦い笑いに包まれた心温まる映画鑑賞を含む1日。
お疲れ様でございました。
Commented by masayama-chan at 2018-12-01 15:33
クレオの母さんへ(マサ)

重いテーマでも心温まるのは、脚本・監督はもちろんのこと、出演者のキャラによるところも大きいかなと思います。
岸部一徳の飄々としたとぼけた味、原日出子の優しく丸く(?)おっとりした雰囲気……。
優しい嘘に笑えます。でも、嘘はいつかバレますよね。

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