トウキョウソナタ
2008年 12月 02日
「トウキョウソナタ」
尊敬する映画通の方が、「必見」と言った作品だけど、公開時には見逃した。
そしたら、なんと今週、調布パルコシネマのレイトショーにかかっているではないの。
映画館には、たいてい一人で行くけど、レイトショーを一人で鑑賞はするのは初めて。なんだか、ウキウキ。
地下の「ポンパドール」で買った夕飯用のサンドイッチを頬張りながら、鑑賞開始!
線路沿いにある、ごくフツーの一軒家。夫婦と子供二人のごくフツーの家族。でも、何の問題もない平穏な家庭だったら、映画にはならない。
香川照之演じる父親は、長年勤めた会社をリストラされ、ハローワークに通う日々。リストラされたことを家族には言えないでいる。
大学生の長男はバイトで朝帰りが日常。日本の現状に絶望しアメリカ軍に入隊してしまう。
親に内緒でピアノを習う小学生の次男。給食費を勝手に月謝に回している。
そして、澱んだ日常に埋没している母親(なんと小泉今日子が演じている)。
繰り返す「ねぇ~、ドーナツ食べない?」のセリフが寂しい。手作りのドーナツに、家族の誰もが無関心なのだ。
ダイニングに漂う閉塞感。出口の見えない絶望感。そのリアリティーさが、逆に失笑を誘う。
次男が、ドビッシー「月の光」を奏でるラストシーン。
家族の再生を予感させ、希望の光がかすかに見えた。
香川照之の演技は、リアリティーがあって恐いもの?なし。
小泉今日子もいい味だしていたけど、フツーの主婦にしては、キレイ過ぎかなぁ~。
だって、香川照之の妻にして、大学生の母親なのよ。
追)
★★★★☆
強盗役の役所広司がヘン(演技過剰)なので、満点に届かず。
惜しい!!
by masayama-chan | 2008-12-02 23:25 | 映画三昧 | Comments(4)
香川照之ってすごいですよねー。前に中国映画に出演していて、
低能の役(言葉が適当でなくてすいません)をしていたけど、
迫力ありました。
小泉今日子は、「空中庭園」でも普通の家族の主婦役をしていたけれど、仮面家族が似合っていましたが、たしかにきれいすぎるわね。
この役は、40代(たぶん)の専業主婦。役にピッタリはまる女優がいるかと言えば、どうかなぁ~。思い浮かばない。キレイな女優はいっぱいいるけどね。
けっこう悲惨な映画でしたね。