さまよう刃
2009年 10月 19日
その最愛の娘が、少年らによって陵辱され、殺された。
東野圭吾のベストセラーを映画化した「さまよう刃」を、昨日観てきた。
悲しさとせつなさと憤りで、胸が詰まるような作品だ。
愛する娘が、まるで肉の塊のように扱われるシーンを収めたビデオテープ。
それを目にした父親の、戦慄と慟哭。果てしない怒りと憎しみ。
なのに、加害者は少年法に守られ、重い刑を課せられることはない。
父親は、自らの手で裁こうと、逃亡した少年を追う。
この父親の行動は極端だが、娘を持つ身として、わからなくもない。
法が守ろうとしているのは、被害者の家族の心情ではなく、未成年である少年たちの未来なのだから。
父親役に寺尾聡。寡黙な中に静かな悲しみと絶望を漂わせて、見ているのがつらいほど。
法は誰の味方か。自分たちのしていることは正しいのか。被害者の父親への心情と、職務との間で心揺れる刑事役に、竹野内豊(カッコイイ!)
竹野内刑事の胸に残るのは、きっと限りない虚しさと、やるせなさ、でしょう。
by masayama-chan | 2009-10-19 22:32 | 映画三昧 | Comments(6)
父親は別の人を想像していたけれど、寺尾聡もいいわね。渋くて。お父さんに似てきたわ。
テレビで鳥越さん(ファン)との対談をしていた寺尾さんを拝見したのはこの映画のことでしたね、そういえば。
マサさんの文書を読んだだけでも胸が苦しくなりそうです。
少年法も難しい問題です。
それにしてもお父様によく似てこられたわね。こういう役が似合う渋さが写真からも伝わってきます。
あぁまたまた映画も御無沙汰だわ。時間が欲しい(苦笑)
しいの実さん、思い立ったときに見にいかないと、終わっちゃうから気をつけてね。
でも、寺尾聡というと、私はどうしても、「ルビーの指輪」を連想するの。清水の舞台から飛び降りる決断で買ったルビーの指輪を、私、亡くしたことがあるのよ(泣)
映画の話でしたね(汗)重くて暗いテーマの作品が、私は好きかもしれないわ。
あまり観たくない。でも、観てみたいわ。(どっちよ!)
寺尾聡というと、私も、「ルビーの指輪」を思い出すわ。
でも、渋みのある良い俳優になりましたね。
マサさん、ルビーの指輪を無くしたの?まあ、もったいないわ。
なんて、人のことを言えませんが。私も大事な黒真珠を失くしたばかりなのよ。涙
そう、映画の話ね。真蘭さん、恐いものみたさかしら(笑)
重くて、せつなくて悲しい映画だけど、残虐なシーンはないの。社会派のようでいて、ラストのもってきかたは、やっぱエンターテイメントかしら。