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2011年 06月 03日 ( 1 )   

ヤコブへの手紙   

火曜日、下高井戸シネマで、「ヤコブへの手紙」を観てきた。
心に深く染みる、静かで切ない映画だった。
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1970年代のフィンランド。白樺に囲まれた片田舎の古い家が舞台だ。
登場人物は、わずか3人。盲目の年老いた牧師ヤコブ。終身刑ながら恩赦で刑務所を出所したレイラ。そして、郵便配達人。
盲目の牧師ヤコブは、郵便配達人から届けられる手紙を毎日心待ちにしていた。
悩める人々からの相談の手紙だ。
手紙を読み、ヤコブの返事を代筆するのが、住み込みのレイラの仕事。
でも、彼女はこの仕事がちっとも好きになれず、手紙の一部を捨てたりしていた。
レイラは、若くも美しくもなく、ふてぶてしく無愛想で、ムショ帰りの太った中年女だ。

やがて、毎日きていた手紙がパッタリ届けられなくなる。
悩める人々への返事を書くのが生きがいだったヤコブはすっかり気落ちし、
「もう、誰の役にも立たない」と、悲しむ。
両手で顔を覆い悲しむヤコブを見て、私も悲しくなり、切なさで涙がこぼれた。
年老いて誰の役にも立たないと悟ったとき、人は何を糧に生きていったらいいのだろう。

レイラも、重い過去を背負い、生きることに絶望していた。
終盤、「私は赦されますか」と、涙でヤコブに問うシーンでは、涙が止まらなかった。

悲しい結末だ。それでも、一度は死のうとしたレイラに再生の予感がしたのが救いだ。

by masayama-chan | 2011-06-03 23:22 | 映画三昧 | Comments(2)