2017年 09月 23日 ( 1 )   

「サーミの血」   

北欧の先住民族「サーミ人」のことをご存じだろうか。

私は、木曜日(21日)に新宿武蔵野館で観た「サーミの血」を通して、その存在を初めて知った。


a0108328_20465687.jpg



1930
年代のスウェーデン・ラップランド。

自然豊かな山間部に、サーミ族がトナカイを放牧し、テントを張って暮らしている。

妹と寄宿学校に通うサーミ人のエレ・マリャは聡明な少女だが、スウェーデン人からは劣等民族として激しい差別を受けていた。
                                             

進学を望むエレ・マリャに、スウェーデン人女教師は言う。

「あなたたちの脳は文明に適応できない」「街に出れば絶滅してしまう」
                                        

福祉国家のスウェーデンには自由で開放的なイメージがあるが、そんな屈辱的な差別が存在していたことに驚いた。

でも映画は差別を告発するというより、エレ・マリャという一人の少女の生き方を描いている(と私は思う)
                                      

エレ・マリャは、教師になる夢を叶えるために故郷を捨てる。
トナカイを放牧しテントで暮らすサーミ人の伝統的な生き方と決別する。

どんなに差別や辱めを受けようが、どんなに現実が厳しかろうが、決してめげない。

真っすぐに前を見つめる意志的な瞳は、どこまでも強くたくましい。
                                             

監督の父親はサーミ人。

主人公エレを演じたスパルロクもサーミ人で、今もトナカイを飼い暮らしている。

彼女はサーミ人であることに誇りを持っているという。
                                        

この映画でサーミ人のことを初めて知ったと書いたが、実は先週テレビでちょっぴり見た。

NHKBSプレミアム「世界わんわんドキュメント」という番組だ。

タイトルからして犬がメインである。
主役はトナカイを束ねる牧羊犬ならぬ牧トナカイ犬?だが、飼い主であるサーミ人の生活も垣間見えた。

今もトナカイを放牧して暮らす彼らは、のどかで牧歌的な日々を送っているように見えたが、実際のところはどうなのだろう。
                                        

特定の人種や文化の排斥は、どの時代にも、どこの地域にも生じるものだと監督は言う。
                                        

考えさせられる映画だった。

そして、ひとつ勉強した。賢くなったかは別だけど。


[PR]

by masayama-chan | 2017-09-23 20:47 | 映画三昧 | Comments(0)