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2018年 06月 21日 ( 1 )   

「万引き家族」   

火曜日、是枝裕和監督の「万引き家族」を観に行った。

カンヌ映画祭で最高賞のパルムドールを授賞した話題作だ。

観ないわけにはいきませんよね。

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都会の高層マンションの谷間にある、小さな平屋。

今にも壊れそうな家の持ち主は、年金暮らしの老女・初枝(樹木希林)

その狭いあばら屋に、4人家族が転がり込んで暮らしている。

建設現場で働く父・治(リリー・フランキー)、

クリーニング店で働く母・信代(安藤サクラ)、

JK見学店でバイトする母の妹・亜紀(松岡茉優)、

そして息子の祥太(城桧吏)

生活費が足りないのか、治と翔太は万引きを繰り返している。

寒い冬の夜、夫婦が団地の前を通ると、廊下で幼い女の子が震えていた。

治は見かねて家に連れ帰るが、女の子の体には虐待を疑わせる無数の傷があった。
彼女は翔太の妹として、家族に迎えられた。


社会の底辺で生きているような家族だが、みな仲が良く賑やかで楽しげだ。

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だが、ある事件をきっかけに、彼らが抱える闇が次々と明らかになっていく。

その過程は、ホラー映画ほどではないが、ドキドキする。

「家族を超えた絆を描く衝撃の感動作」とうたい文句にはあるが、疑似家族の絆は壊れ始めるとガラス細工のように脆かった。

鑑賞後の感想を一言で述べるのは難しいが、あえて言えば「無力感」かな。

「誰も知らない」のときと、ちょっと似ている。


<追>

この家族は万引きしなければ生きていけないのかと、観ながらふと思った。

確かに貧しくはあるが、オンボロながら住む家はあり、老人には年金があり、夫婦は働いている。

それが、終盤で治が翔太にもらした言葉でストンと腑に落ちた。

「万引きくらいしか教えるものがない」

無知な父親は、父親として教えるべきものを他に持たなかった。

偽の父子は、「万引き」で繋がっていたのだろう。


by masayama-chan | 2018-06-21 16:18 | 映画三昧 | Comments(2)